キョウト読書ログ

読書キロク。

熱源 川越宗一

自分の体の半分が、故郷で殺しあっている。身は、心は、どこに置けば良いのか。故郷で暮らすというただそれだけのことが、これほど至難のことなのか。

今見ると雪原と木の表紙なのに、なぜかタイトルと青で熱帯の話だと思って読んだらアイヌの話でびっくりする。

日本とロシアの狭間にあるアイヌ。登場人物たちのアイデンティティのゆらぎに胸がつかまれる。戦争の描写を頭を掠めたのは、やはりウクライナとロシアのこと、そしていままさにミサイルを手にするために増税しようとしている日本のことと、先日見た『西部戦線異状なし』のこと。

戦争、反対、そう思って走る東大路。